
vol.9 "Heavyweight" - ヘビーウェイト
昔から僕は”完成形”と言われるような形やアイテムがとても好きです。BRAUNのデザインもそうですし、”最善か無か”ー90年代のメルセデスベンツ、プルーヴェのスタンダードチェアetc…常に変化する世の中において、いつの時代も変わらない素晴らしさと安心感、必要とされ続けるモノ自体に魅力を感じます。同じようにカシミヤは素材における完成形。古くは1400年代より変わらず同じ価値で存在し続ける所以があります。他の何にも変わることのない究極の物質をどうアレンジしていくか。 高級だからこそ、毎日使えるものであったらずっと飽きずに着ているんじゃないか。良質なアイテムをひっそりと一から育てていきたいタイプなので、ラグジュアリーすぎる非日常的なアイテムや奇抜な雰囲気はどうも肌に合わずで…。それで選んだアイテムが、日頃から愛用していたスウェットでした。一見するとただのスウェットなのですが、BODHIのスウェットはニッティングによって作られています。少しの破れやほつれに修理が効き、色落ちもないためメンテナンスもしやすいという特徴があります。 ニッティングに必要なのは、糸の太さ、本数取り、糸の撚り方、機械の特徴、職人さんの技術etc…。内モンゴルはホワイトカシミヤの産地でありながら、同じくカシミヤ紡績、縫製技術も世界一。1年中カシミヤの糸を紡ぎ、製品を作っている彼らの感覚は他に真似出来ないと思っています。(日本で同じカシミヤ製品を作ろうとすると、原料の仕入れから機械の調整等、おそらく今の上代の2倍あたりになるかと試算します…。そもそも同じクオリティを日本で作れるかどうか。)太番手をさらに撚ってゲージの細かい機械で編んでさらに詰めて…、厳しい条件が揃い追求して生まれたアイテムが” Heavyweight”シリーズです。限界まで詰めたカシミヤの肉感に、きめ細やかな表面、ヴィンテージ特有の長く締め付けの強いリブetc…今までに見たことのない、全く新しいカシミヤアイテム。気づいてみたら、最初の約1年間は素材を作るだけで終わっていました。笑 つづく。 BODHI / Satoshi Mizutani I have always loved items and shapes that can be called "perfection," and I am attracted to...