ISSUE 04

vol.11 "This and that" - あれこれINDEX

間が空いておりました。不定期ですいません。10月より全国でPOP-UPをやらせて頂いております。継続して伺わせて頂くお店が多く、毎年馴染みのお客様とお話できること楽しいです。最近何を買ったとか、こんな新しいものがあるとか、その他活字に出来ないことほど面白い。ダイレクトに空気感を伝えられるほどとても安心します。そしてイベントでお客様から、”ブログ止まっていますね。”と多々お声がけ頂き、久々に書いてみようとここに記しました。お声がけ頂きました皆様、ありがとうございます。   これからいよいよ冬本番の寒さになってきました。年々寒くなる時期が遅い反面、GW前まで寒さが続きますね。1日の中で昼暑いのに夜寒い、なんてことが多々あるので、最近は真冬のアウターを揃えるよりブルゾンやジャケットをアウターにして、レイヤー調整しながら冬を過ごすことが増えてきました。もちろんインナーはカシミヤですが、意外とミドルウェイトシリーズの活躍が多いような。ちょうどいい肉感で、何も考えずただ着るだけで快適ですが、気づいたらいつも同じ格好。。色物で気分上げられるように努めます。   話は変わりますが、この半年間、カシミヤの性能を通年発揮できないかと思い、一年中着れるカシミヤアイテムをいよいよ開発しました。ブランドを始めた当初からずっと考えていたのですが、”カシミヤ、ニット、それは冬。”という固定概念をどうやって克服かなと。加えて天然素材というナチュラル原料で、いかに高機能なハイテクを生み出せないかと挑んできました。思い込みや先入観を超えた、新しいカシミヤの価値観を作り出せないのかとずっと考えていました。今あるカシミヤスウェットの概念もその一つです。今出来上がったのは2アイテム。一つはカシミヤ100%のカットソー。いつものTシャツが、カシミヤです。想像がつかないかと思いますが、作っている自分も毎回出来上がってくるまで想像のつかない物を作っていました。なんと言うか、今まで見たことない素材感で、強いて言うならば、スビン天竺の表面をマットにしながら、素材に芯がある柔らかさで素材が立っているけれどもコットンのTシャツのようにも見える…とにかく、です。   カシミヤの特徴の一つ、保温性をどう解消するかがポイントでした。カシミヤは細やかな繊維束の隙間にあるポケットと言われる空間で、暖かい空気をキープします。繊維が細く軽く、この保温性に優れているので、重宝されます。が、結果だけものすごく簡単に言いますと、このポケットの隙間を思いっきり潰しました。保温の機能だけ取り除き、それ以外はカシミヤ本来の性能そのままです。そして、完全にカットソーなので、もうニットではありません。(個人的にとても嬉しい響きです。)今のベストがようやく完成しました。もうすぐ展開できるかと思いますので、みなさま何卒お待ち下さいませ。   もう一つの通年着れる嬉しいアイテムは、次の機会に紹介させて頂きます。 取り急ぎ。 Satoshi Mizutani / BODHI     blousons and jackets as outerwear and adjusting layers as I go through the winter,...

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vol.10 "Oz" - オンスINDEX

前回ヘビーウェイトについてお話しましたが、同時期に合わせて作っていたのがミディアムウェイト。スウェットのようにボリュームが出過ぎず、かといって薄すぎないので春秋冬と3シーズンの間、ちょうどいい気分です。そもそもヘビー、ミディアム、ライト…ってボクシングの階級みたいな言葉ですが、生地の厚さの話です。”Oz(オンス)”で表します。Tシャツやスウェットでは普通のことですが、カシミヤでこのウェイト別に作り出したアイテムがHeavyweight / Mediumweight シリーズです。   Heavy〜は12 Oz程度にカシミヤを度詰めたシリーズで、紡毛の中番手を本数取りして強然し、ボリュームと肉感を出したニットソー。編み組織なのですが襟ぐりや肩周りなど、ニット特有のリンキングによる目減らしディテールがスウェットにあるなんてすごく嫌だったので、各パーツを作ってから縫製。加えてキレイに縫製しすぎるとアイテムがかしこまった面に見えるので、わざと少しラフに仕上げています。他のこともそうなのですが、偏りすぎた完璧はどうも…。ラグジュアリーの極みを尽くしました!とか、全身〇〇で揃えていますとか、やっぱりどうにも格好悪い。完璧なものを少し引き算して、ちょっと足りてないぐらいの方が、気分もガチガチにならないし断然格好いい。ハイ&ローの真ん中を突いた価値観が常に好きです。このシリーズも、実際に遠目にみたらただのスウェットです。   Medium〜は7 Oz程度に度詰めしたライトスウェットシリーズ。Heavy〜と大きく異なるのは、糸の種類。こちらは繊維長が長く毛羽の少ない梳毛を使用し(いわゆるスーツ素材で用いる細番手のカシミヤ。)、複数本を強然した糸を編み込む。それゆえ十分な肉感を持ちながら表面が非常にスムースで、カシミヤ本来の自然な光沢も出てきます。先ほどのハイ&ローの原理から、袖と裾に振りミシンを入れることで伸び止め補強と、良く見えすぎないようドレスダウン化。ロンT以上、スウェット未満なアイテムで着用期間も長く使えるので、こちらもとても好きです。   同じカシミヤでもこうも違うかと思うくらい違う2つ。それぞれの良さがあるので、どちらが良いとかないですが、ぜひこの違いを騙されたと思って体感して下さい。  Satoshi Mizutani / BODHI     We talked about the heavyweight last time, but we were making a...

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vol.9 "Heavyweight" - ヘビーウェイトINDEX

昔から僕は”完成形”と言われるような形やアイテムがとても好きです。BRAUNのデザインもそうですし、”最善か無か”ー90年代のメルセデスベンツ、プルーヴェのスタンダードチェアetc…常に変化する世の中において、いつの時代も変わらない素晴らしさと安心感、必要とされ続けるモノ自体に魅力を感じます。同じようにカシミヤは素材における完成形。古くは1400年代より変わらず同じ価値で存在し続ける所以があります。他の何にも変わることのない究極の物質をどうアレンジしていくか。   高級だからこそ、毎日使えるものであったらずっと飽きずに着ているんじゃないか。良質なアイテムをひっそりと一から育てていきたいタイプなので、ラグジュアリーすぎる非日常的なアイテムや奇抜な雰囲気はどうも肌に合わずで…。それで選んだアイテムが、日頃から愛用していたスウェットでした。一見するとただのスウェットなのですが、BODHIのスウェットはニッティングによって作られています。少しの破れやほつれに修理が効き、色落ちもないためメンテナンスもしやすいという特徴があります。   ニッティングに必要なのは、糸の太さ、本数取り、糸の撚り方、機械の特徴、職人さんの技術etc…。内モンゴルはホワイトカシミヤの産地でありながら、同じくカシミヤ紡績、縫製技術も世界一。1年中カシミヤの糸を紡ぎ、製品を作っている彼らの感覚は他に真似出来ないと思っています。(日本で同じカシミヤ製品を作ろうとすると、原料の仕入れから機械の調整等、おそらく今の上代の2倍あたりになるかと試算します…。そもそも同じクオリティを日本で作れるかどうか。)太番手をさらに撚ってゲージの細かい機械で編んでさらに詰めて…、厳しい条件が揃い追求して生まれたアイテムが” Heavyweight”シリーズです。限界まで詰めたカシミヤの肉感に、きめ細やかな表面、ヴィンテージ特有の長く締め付けの強いリブetc…今までに見たことのない、全く新しいカシミヤアイテム。気づいてみたら、最初の約1年間は素材を作るだけで終わっていました。笑 つづく。   BODHI / Satoshi Mizutani     I have always loved items and shapes that can be called "perfection," and I am attracted to...

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