BODHIのイタリア生産を可能にして頂いた先は、ペルージャ地方の伝統のあるファクトリー。元来メゾンのニット製品も担うこの産地は、高度な技術と職人の手仕事が受け継がれる、世界の一級品が生み出される場所。今回貴重な100%アラシャンカシミヤを、通常よりさらに細かく高密度に編み立て、襟ぐり、裾袖のフィニッシュを手仕事で仕上げた特別な一品。
イタリア製の高品質なニットを、BODHIとしてどう再解釈するか。それは「ただの上質」を超えて、日常に馴染み、自然体で着られるアイテムに仕立て直すことでした。ヨーロッパではジャストサイズが文化的な美徳とされていて、フィット感のある服を着ることが「自分を理解している証」として 評価される傾向にあります。一方で、BODHIが大切にしてきたのは、極上の素材を“あえてリラックスして着る“という価値観です。
今回のイタリア製ニットも、BODHIらしいオリジナルフィットで企画しました。まるで上質なロンTのように、肩肘張らずに着られる。それでいて、素材の上品さは隠しきれない。主張しすぎず、自分自身の平常心を保つような存在。だからこそ、まとう人の佇まいに、どこか余裕と洗練がにじみ出る。そんなプロダクトを目指しました。
日々のスタイルを変えることなく、ただいつものように袖を通すだけで、自分自身が整う感覚。それは“毎日愛用できること“への信頼であり、“変わらずにいられること“の美しさでもあります。このニットが誰かの日常をそっと支える存在になることを、心から嬉しく思います。イタリアの伝統とBODHIの感性が出会ったこの一着が、皆さんの暮らしの中で自然な「粋」として根付いてくれることを願っています。