BODHIをデザインするうえで、いつも心に置いているテーマの一つが「変わらない自分で居続けられるか」ということ。昔から、「みんながそうしているから」と言われるのが本当に苦手でした。自分は自分だから、誰かに合わせる必要なんてない。とはいえ、集団の中で生活する以上、同じ行動を求められる場面は多い。そんなモヤモヤを感じていた時に、自分なりの表現方法として見つけたのが、服の着こなしでした。たとえば、学ランのカラーを外して着るとか、決められたシャツをTシャツに変えるとか、革靴しか認められていない校則の中でスニーカーを履いていくとか。ほんの小さなことだけど、自分にとっては大きな違いであり、確かな個性だった。ファッションという言葉は、流行を追うというより、むしろ“自分をどう表現するか“に近い意味だと感じています。もし当時、写真や音楽にもっと傾いていたら、きっとまた違う形で表現していたと思うし、いま洋服に携わっていないと思う。

そして話はSUPERLIGHTのハイゲージカシミヤへ。
これを作る前、自分も老舗ブランドのハイゲージニットをよく着ていました。けれど、決められたサイズを選ぶといつもピッタリすぎて、どこかしっくりこない。「これがベストサイズです」とすすめられてもどうしても違和感が残るから、あえて3サイズくらい上を選んで着ていました。“一般的にいいと言われる“が自分には合わなかった。そうして理想のサイズを作り上げたのがSUPERLIGHTです。裏テーマは「大人がロンTを卒業して次に着るもの」。自分の中での“なんか違う“を言語化していくと、「ハイゲージをロンTのように着たい」という感覚です。ロンTはそもそも起毛していないからカシミヤの中でも梳毛で作り、ディテールはセーターのように見えず、毛羽立ちにくく、耐久性と機能性も高い。寸法の取り方も、一般的なハイゲージニットとは全く違います。全体に余白を持たせて、ロンTのようなバランスにしている。見た目もさらっとしていて、どこか“普通とちょっと違う“仕上がり。

まとめると、①ワードローブの中心がカットソーからニットへ移ると、質の良い大人感覚になれる気がする。②素材がコットンからカシミヤに変われば、それだけで生活が向上する。③スタイル自体は変えたくない。——この3つのエッセンスを注入して形になった一つがSUPERLIGHTです。最近は、季節の区別もあいまいになってきて、夏と冬しかないような気候。そんな中で、気づけばこのニットを着ている期間が一年の半分くらいになっていました。自分のスタイルを崩さずにいられる一着。SUPERLIGHTは、そんな“変わらない自分“をさりげなく支えてくれる、マイスタメンです。
・SUPERLIGHT CREW
https://bodhi-cashmere.com/collections/all/products/super-light-crew
・SUPERLIGHT POLO
https://bodhi-cashmere.com/collections/all/products/super-light-polo
・SUPERLIGHT MOCK